PERIDOCTUS
序章

序章

これを読む者へ

これから皆さんを、歴史の旅に案内しようと思う。今から数千年前、ペリドットと呼ばれる魔法の生き物がこの世界に現れた時から始まった歴史だ。彼らがどこから来たのか、誰も知らない。それを推測することに意味はないだろう。重要なことは、彼らの絆と優しさなのだから。人々が彼らの存在を噂し始めたのはユニコーンや妖精よりも昔のことで、ペリドットもユニコーンや妖精と同じように、空想の存在に過ぎないと考えられてきた。

これを読む者に断言しておこう。ペリドットたちは実在する。海や空、荒野が実在するように。彼らのことを初めて耳にしたというのなら、それは話せないという彼らの特徴のせいだと考えるべきだ。この生き物は、おそらく体の構造上の制約により、自分の声を持たない。そのため、自分たちの存在を示す記録がない。彼らがこの世界にとってどのような存在なのか、明確に記した書物は1冊もなかった。そう、今までは。

私、ファシアナ・デ・サジアは、大変光栄にもペリドットたちの物語を代弁する役目に選ばれた。千年以上もの間、世代から世代へと受け継がれてきた彼ら種族の物語、伝承、そして秘密を記したこの動物記は、彼らについての不滅の正典となるだろう。

今日、2023年5月9日、この神話的な生き物を覆い隠していた謎のヴェールがついに取り払われる。

さあ始めよう、Peridoctusを。

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